不登校、引きこもりあれこれ
2019/06/15
不登校の行動学習
不登校は学習パターンで対処が異なる
皆さん、今日は。人の心は複雑のようで、心理学理論に照らしてみてみるととても
シンプルだともいえるので、今回は、不登校を心理学の行動学習原理に照らして
関わり方を考えて見ようと思います。
人の心を推察する時、思考や感情面で理解する方法と、行動で理解する方法がありますが、
今回は行動面で捉えてみようと思います。どの行動パターンを学習したのか。
まず、意識(本人が自覚できる領域)と、無意識(本人が自覚できない領域)があると言う
前提で考えてみてくださいね。
行動原理にはレスポンデント学習とオペラント学習があります。
外部からある刺激を受けた時、人の内界(心の中と簡単に思ってください)には必ず
反応が起きます。(この後、刺激をS、反応をRと表記します。)
刺激Sを受けた時に起きる反応Rが、生物学的なものの時、
よく言われるのがパブロフの古典的条件付け、
犬に餌(S1)を見せるとよだれが垂れる・・・
これがS1に対して無条件に起きたR1(無条件反応)どの犬人も起こるもの
そこに、いつも同じ別のS2、ベルの音とか号令とかを一緒に与え続けると
そのうち餌がなくても、S2だけでよだれが垂れる・・・(S2は条件刺激)と言う
このよだれは、餌ではなく、別の刺激S2で起きるのでR2(条件反応)と言います。
これをレスポンデント学習、古典的条件付けと言います。
不登校児童の多くは、まずこのレスポンデント学習をします。
S1(怖い先生、嫌いなクラスメート、嫌な給食など)
R1(心臓ばくばく、冷や汗、吐き気、腹痛など)
このS1は学校に行くとあるものなので、そのうちS2(学校)だけで
R2が起きてくるようになります。
★ここからオペラント学習をするようになります。
この児童が、たまたま学校を休みます。このたまたまの行動をとることで
児童が何を得たのか、何を得なかったのか、で児童の行動が持続するか
行動が減るのかが決まります。
学校を休むという行動が持続する(強化される)場合、児童は
正の強化学習をしているか、負の強化学習をしているかどちらかになります。
①正の強化学習の場合は、休むことで良い事がある場合。(利得がある)
②負の強化学習の場合は、休むことで嫌なものから逃げられた場合(嫌なものが無くなる)
①の場合は、利得がある限り休み続けます。例えば、とても皆に心配して貰う、
良くして貰う、我儘を聞いて貰う、好きな事をしていられる、快適、など。
②の場合は、怖さから逃げられた、不快な思いをしなくて済んだ、
学校を休むと言う行動が減る(行動が減弱する)場合、児童は
除外学習をしたか、処罰学習をしたかになります。
③除外学習の場合は、休んでもいい事が何も無い場合、休まなくなります。
④処罰学習の場合は、休むとめちゃくちゃ怒られる、かえって嫌な事がある場合、
休まなくなります。
全部の不登校をこの原理だけで解釈はできませんが、この視点でみると
①の場合は利得を上げなければ③の除外になり学校をやすまなくなります。
②の場合は、逃げの行動を学習しているので、逃げずに立ち向かう強さを
育てることによって、休まなくなります。但し、強烈ないじめにあっている場合は
休ませて、環境を整えることが必要です、環境を改善すると休まなくなります。
何がどう嫌なのか、状況や状態をしっかり聴いて解決する為に何か方法はないか、
児童が無理なく実行できる事は無いかなど、しっかり話し合いをします。
④は、しかられる事が嫌なので無理して学校にいくことになるので、教育上
くありません。この4つの学習原理の中で処罰学習だけは、どうしても必要な時に
一度だけしっかり叱責する事が効果がある場合もありますが、大抵は用いません。
用いる時は万引きした時、誰かを傷つけた時、など。ですから、苛めをする児童の
指導の時、いじめる側の児童に一度だけしっかり叱責することは必要かも。
但し、苛めをする児童の気持ちや環境、状況も確認した上でです。どんな状況で
あってもいじめは認めてはいけません。
やって欲しくない事は、何回も繰り返すと、繰り返して良いと学習するだけです。
学習というのは、繰り返し同じことをすることで、強化されていきます。
不登校の場合だけでなく、勉強をするしない、いう事を聞く聞かない、
仕事をするしない、喧嘩をするしないなど様々な人間の行動の意味や
目的を知る為の参考になります。
かなりポイントだけ書いていますので、もっと詳しく知りたい方は、
クロスワードまでお問合せくださいね。
SACHI